大手キャリア

楽天モバイルと大手キャリアを併用!メリット・注意点から設定手順まで解説

楽天モバイルは1GB以下無料、たくさん使っても月額3,278円(税込)という安さが魅力です。
しかし、楽天回線エリアが狭いなどの問題もあります。

「お得そうだけど、大手キャリアから楽天モバイルに乗り換えるのは不安だな」と感じている人もいるでしょう。

そのような人は現在の大手キャリアと楽天モバイルを併用するのがおすすめです。

2枚のSIMカードを使える「DSDV」対応スマホなら1台で大手キャリアと楽天モバイルを使い分けられます。

楽天モバイルはデータ通信量が1GB以下なら無料です。
うまく使えば、コストをかけずに楽天モバイルのメリットを享受できます。

本記事では楽天モバイルと大手キャリアを併用するメリット・注意点と実際の設定手順を解説します。

楽天モバイルと大手キャリアを併用するメリット

楽天モバイルと大手キャリアを併用するメリットは以下の通りです。

  • 楽天回線エリアの狭さをカバーできる
  • 音声通話が無料でかけ放題になる
  • キャリアメール・キャリア決済を継続できる

楽天回線エリアの狭さをカバーできる

大手キャリアと併用することで、楽天モバイルの弱点である「楽天回線エリアの狭さ」をカバーできます。

楽天モバイルは月額3,278円(税込)でデータ通信が使い放題です。
しかし、それは楽天回線エリア内に限られます。

パートナー回線エリアでは月5GBまでしか利用できません。

5GBを超えた場合は通信速度が翌月まで1Mbpsに制限されます。

楽天回線エリアは少しずつ拡大中ですが、都市部を除くとまだまだ対応していないエリアが多いです。

一方、大手キャリアは全国各地をカバーしています。
よほどの山間部でなければ問題なく繋がるでしょう。

楽天モバイルと大手キャリアを併用することで、楽天回線エリアの狭さを補えます。

音声通話が無料でかけ放題になる

楽天モバイルと大手キャリアを併用すると、かけ放題が無料です。

大手キャリアのかけ放題は有料オプションとして用意されています。
対して、楽天モバイルは専用アプリ「Rakuten Link」から発信すると通話料が無料です。

かけ放題のオプション料は一切かかりません。

キャリア かけ放題の月額料金
楽天モバイル 無料
ドコモ 1,870円(税込)
au 1,980円(税込)
ソフトバンク 1,980円(税込)

大手キャリアでかけ放題を使う場合は2,000円ほど高くなります。
楽天モバイルを契約すればかけ放題が無料です。

しかも、楽天モバイルは毎月のデータ通信量が1GB以下なら月額料金もかかりません。
一切費用をかけることなくかけ放題を利用できます。

キャリアメール・キャリア決済を継続できる

大手キャリアと楽天モバイルを併用するとキャリアメール・キャリア決済を継続できます。

楽天モバイルではキャリアメールが用意されていません。
Gmailなどのフリーメールでメールを使えますが、アドレスは変わります。

キャリア決済は一応利用可能ですが、支払えるのはGoogle Playの料金のみです。
大手キャリアのキャリア決済の代わりにはなりません。

大手キャリアの契約を残し、楽天モバイルと併用すればキャリアメールとキャリア決済もそのまま使えます。

楽天モバイルも2021年中にメールサービスを提供するとしていますが、詳細は不明です。

楽天モバイルと大手キャリアを併用する方法

楽天モバイルと大手キャリアを併用する手順は以下の通りです。

  1. DSDV対応機種を用意する
  2. 楽天モバイルを契約する
  3. 楽天モバイルと大手キャリアのSIMカードでDSDV設定をする

DSDV対応機種を用意する

まずは「DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)」に対応しているスマホを用意しましょう。

DSDVとは2枚のSIMカードを併用できる機能です。
1台で楽天モバイルと大手キャリアの両方のSIMを切り替えながら使えます。

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2台持ちは手間がかかるので、DSDV対応スマホを使うのがおすすめです。
DSDV対応スマホには大きく2種類あります。

  1. 2枚の物理SIMを挿せる機種
  2. 物理SIM+eSIMが使える機種

DSDVに対応しているAndroidスマホの多くは2枚のSIMカードを挿すタイプです。
一方、iPhoneおよび一部のAndroidスマホは「物理SIM+eSIM」でDSDVを実現しています。

eSIMとは物理的なSIMカードなしで契約できる仕組みです。

楽天モバイルおよび大手3キャリアはいずれもeSIMに対応しています。
そのため、eSIM対応スマホでも楽天モバイルと大手キャリアを併用可能です。

なお、すでに大手キャリアを契約している人の多くは物理SIMだと思います。
そのため、基本的には楽天モバイルをeSIM契約するのがおすすめです。

本記事でもeSIMに関しては「すでに大手キャリアの物理SIMを利用している人が、楽天モバイルのeSIMを追加する」と仮定して解説を続けていきます。

もちろん「大手キャリアのeSIM + 楽天モバイルの物理SIM」でも問題ありません。今後の手順もほぼ同じです。

iPhoneはXR以降のみ対応

iPhoneのうち、2枚のSIMカードを運用できるのはiPhone XR以降の機種のみです。

eSIM対応のiPhone
  1. iPhone XR/XS/XS Max
  2. iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max
  3. iPhone SE(第2世代)
  4. iPhone 12/12 Pro/12 mini/12 Pro Max

iPhone XR以降の機種はいずれもeSIMに対応しています。
どちらかを物理SIMで契約し、片方をeSIMで契約して併用可能です。

大手キャリアのiPhoneもeSIMに対応しています。
ただし、楽天モバイルを利用する場合はSIMロック解除が必須です。

必ずSIMロックを解除してください。

AndroidスマホはDSDV対応機種が多い

AndroidスマホはDSDV対応機種が非常に多いです。

すべては掲載しきれませんが、ここでは楽天回線対応製品のうちDSDV対応機種を紹介します。

メーカー 機種名
ASUS ZenFone 7/7 Pro
ZenFone 8
Google Pixel 4/4 XL
Pixel 4a/4a(5G)
Pixel 5
Pixel 5a(5G)
HUAWEI nova 5T
nova lite 3
P30 lite
OPPO AX7
Find X
OPPO A5 2020
OPPO A54 5G
OPPO A73
OPPO Reno A 128GB
OPPO Reno3 A
OPPO Reno5 A
R17 Pro
Reno 10x Zoom
SHARP AQUOS sense3 lite SH-RM12
AQUOS sense3 plus SH-M11
AQUOS sense3 plus SH-RM11
AQUOS sense3 SH-M12
AQUOS sense4 SH-M15
AQUOS sense4 lite SH-RM15
AQUOS sense4 plus SH-M16
AQUOS sense5G SH-M17
AQUOS zero2 SH-M13
SONY Xperia 10 III Lite
Xiaomi Redmi Note 9S
Mi Note 10 Lite

この他にもDSDV可能なSIMフリースマホがたくさんあります。
選択肢は比較的豊富です。

ただし、楽天モバイルと大手キャリアを利用するためには端末が両方の回線に対応していないといけません。

ドコモ、ソフトバンクの場合はほとんどのSIMフリースマホが対応しています。
au回線は対応していない機種が多いので注意が必要です。

大手キャリアではSIMフリースマホの動作確認をしていません。
自分で口コミなどから調べる必要があります。

不安な場合はiPhoneがおすすめです。
SIMロックさえなければ、どのキャリアでも問題なく使えます。

楽天モバイルを契約する

DSDV対応機種を準備できたら楽天モバイルを契約しましょう。

楽天モバイルは公式サイトから簡単に申し込めます。
プランも1つなので、とくに困ることはありません。

ただし、SIMタイプの選択に注意してください。

利用するスマホ 大手キャリアのSIMタイプ 楽天モバイルのSIMタイプ
物理SIMのみ対応 nanoSIM nanoSIM
eSIM対応スマホ nanoSIM eSIM
eSIM nanoSIM

スマホが物理SIMのみ対応ならnanoSIM、eSIM対応スマホならeSIMを選ぶのが基本です。
すでに大手キャリアでeSIMを使っている場合はnanoSIMを選んでください。

楽天モバイルはオンラインで本人認証する「eKYC」に対応しています。
eKYCでeSIMを申し込めば、最短5分ほどで楽天モバイルを利用可能です。

eKYCで申し込む場合は公式サイトではなく「my 楽天モバイルアプリ」から申し込みましょう。

アプリはApp StoreもしくはGoogle Playからダウンロードできます。

eKYCを利用する際は運転免許証かマイナンバーカードが必要です。どちらも持っていない場合はeKYCを利用できません。

楽天モバイルと大手キャリアのSIMカードでDSDV設定をする

楽天モバイルを契約できたら、スマホでDSDV設定をしましょう。

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設定手順はiPhoneとAndroidで異なります。

iPhoneの場合

iPhoneは物理SIM+eSIMのDSDV対応です。
楽天モバイルを併用する場合はeSIMを追加することになります。

iPhoneに楽天モバイルのeSIMを設定する手順は以下の通りです。

  1. App Storeから「my 楽天モバイル」アプリをインストールする
  2. アプリを起動し楽天IDにログインする
  3. スタートガイド裏面のQRコードをカメラで読み取る
  4. 「申し込み履歴を開く」をタップする
  5. 「申込番号」をタップする
  6. 「開通手続きをする」をタップする
  7. モバイル通信プランの追加画面で「続ける」をタップする
  8. 「モバイル通信プランを追加」をタップする
  9. 「キャリア設定アップデート」が表示されたら「アップデート」をタップする

手順③④はeKYCを利用せずに申し込んだ場合のみ必要です。
eKYCを利用した場合はQRコードを読み取る必要はありません。

利用するSIMは設定アプリから随時切り替えられます。

「設定」→「モバイル通信」の「モバイルデータ通信」に表示されているSIMでデータ通信を利用します。

同様に「デフォルトの音声回線」に表示されているのが音声通話で利用するSIMです。

例えばドコモのSIMでデータ通信、楽天モバイルで音声通話を利用する際は、

  • モバイルデータ通信:ドコモ
  • デフォルトの音声回線:楽天モバイル

となるように設定してください。

Androidスマホ(物理SIM2枚)の場合

続いては物理SIMのみ対応しているAndroidスマホでの設定手順です。

楽天回線対応製品の場合、特別な設定は必要ありません。
SIMトレイを開き、大手キャリアのSIMと楽天モバイルのSIMをセットすればOKです。

利用するSIMを切り替える方法は機種によって異なります。

例えば筆者が利用しているReno Aの場合は「設定」→「デュアルSIM & モバイルネットワーク」から利用するSIMを選択可能です。

詳細は各端末の取扱説明書なども参考にしてください。

楽天回線対応製品以外のAndroidスマホで使う場合はAPN設定が必要です。
以下の手順に従ってAPN設定をしてください。

  1. 「設定」→「ネットワークとインターネット」の順にタップする
  2. 「モバイルネットワーク」の順にタップする
  3. 楽天モバイルのSIMカードをタップする
  4. 「詳細設定」→「アクセスポイント名」の順にタップする
  5. 右上の「+」をタップする
  6. APN情報を入力し「保存」をタップする
  7. 保存したAPNをタップする

ステップ⑥では以下の情報を入力すればOKです。

項目 入力事項
ANP rakuten.jp
MCC 440
MNC 11
APNタイプ default,supl
APNプロトコル IPv4/IPv6
APNローミングプロトコル IPv4/IPv6
PDPタイプ IPv4/IPv6

楽天回線対応製品以外は楽天モバイルのサポート対象外です。不安な人は楽天回線対応製品を利用しましょう。

Androidスマホ(物理SIM+eSIM)の場合

eSIM対応のAndroidスマホで楽天モバイルのeSIMを利用する設定手順は以下の通りです。

  1. Google Playから「my 楽天モバイル」アプリをインストールする
  2. アプリを起動し楽天IDにログインする
  3. スタートガイド裏面のQRコードをカメラで読み取る
  4. 「申し込み履歴を開く」をタップする
  5. 「申込番号」をタップする
  6. 「開通手続きをする」をタップする

手順③④はeKYCを利用せず申し込んだ場合のみ必要になります。
eKYCで申し込んだ場合は不要です。

利用するSIMは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」などから切り替えられます。

こちらも端末によって異なるので、詳しくは取扱説明書なども参考にしてください。

楽天モバイルと大手キャリアを併用する際の注意点

楽天モバイルと大手キャリアを併用する際の注意点は以下の通りです。

  • 楽天モバイルを単体で利用するより割高になる
  • Rakuten Linkアプリを利用しないと通話料が無料にならない
  • 大手キャリアのAndroidは原則DSDV非対応(Pixel除く)

楽天モバイルを単体で利用するより割高になる

楽天モバイルと大手キャリアを併用する場合、楽天モバイルを単体で利用するより月額料金が高くなります。

例えば大容量のデータ通信を利用する場合、楽天モバイルなら月額3,278円(税込)です。
大手キャリアの場合は7,000円前後と倍以上かかります。

キャリア 月額料金
楽天モバイル 3,278円(税込)
ドコモ 7,315円(税込)
au 7,238円(税込)
ソフトバンク 7,238円(税込)

データ通信をあまり使わないライトユーザーも同様です。
とにかく安く使いたいなら、楽天モバイル単体で利用しましょう。

Rakuten Linkアプリを利用しないと通話料が無料にならない

楽天モバイルを電話専用回線として使う場合は必ずRakuten Linkアプリを使いましょう。

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Rakuten Linkアプリを使わない場合、20円/30秒の通話料がかかります。
少し面倒ですが、必ずアプリを経由して電話してください。

iPhoneでは、Rakuten Linkを利用していない人からの電話は標準の電話アプリで着信します。そのまま折り返すと通話料がかかります。

なお、楽天モバイルでも月額1,100円で10分かけ放題オプションを利用可能です。
こちらは月額料金がかかりますが、専用アプリを使う必要がありません。

専用アプリを使うのが面倒な人、大手キャリアの5分かけ放題では足りない人は検討しましょう。

大手キャリアのAndroidは原則DSDV非対応(Pixel除く)

大手キャリアのAndroidスマホは基本的にDSDVに対応していません。

例えばAQUOS sense4はSIMフリー版ならDSDVに対応しています。
しかし、大手キャリア版はシングルSIMとなり、DSDVが使えません。

唯一、Pixelシリーズは物理SIM+eSIMのDSDVが可能です。
SIMロック解除さえすれば、大手キャリア版でも楽天モバイルを使えます。

大手キャリアでPixel以外のAndroidスマホを使っている場合はSIMフリースマホを別途購入してください。

まとめ

以上、楽天モバイルと大手キャリアを併用するメリット・注意点と手順について解説しました。

大手キャリアとの併用で、楽天モバイルの弱点である「楽天回線の狭さ」を補えます。
楽天モバイルを電話専用回線として使えば、かけ放題も無料です。

楽天モバイルと大手キャリアを併用する際はDSDV対応スマホを利用しましょう。
1台で2枚のSIMを使えるため、2台持ちをする手間が省くことが可能です。

当然ですが、大手キャリアと併用すると楽天モバイル単体で契約するよりも月額料金は高くなります。

とにかく安く使いたいなら、楽天モバイル単体での契約もおすすめです。

毎月のデータ通信量が5GB以下の人、楽天回線エリアの都市部に住んでいる人なら、楽天モバイル単体でも普通に使えますよ。

【公式】楽天モバイル

ABOUT ME
吾妻 和希
格安SIM・スマホが好きなライター。学生時代に節約のため格安SIMを使い始めました。格安SIM歴は6年を越え、その経験を生かしてスマホライターとして活動中。
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