楽天モバイルは月額料金の安さが売りですが、対応エリアに不安があります。
可能であれば、単体ではなく格安SIMとの併用がおすすめです。
格安SIMは種類がたくさんあります。
その中でも楽天モバイルと併用するのにおすすめの1つが「OCNモバイルONE」です。
ドコモ回線対応で楽天モバイルのデメリットをカバーできます。
月額料金も550円(税込)からと安価です。
本記事では楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する手順やメリット・デメリットについて解説します。
目次
楽天モバイルをOCNモバイルONEと併用するメリット
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用するメリットは以下の通りです。
OCNモバイルONEで楽天回線エリアの狭さを補える
OCNモバイルONEを併用すると楽天回線エリアの狭さを補うことが可能です。
楽天モバイルの対応エリアは大きく2種類あります。
楽天回線エリアではデータ通信を無制限に使えます。
ただし、楽天回線エリアはまだ全国まで広がっていません。
楽天回線エリア内でも電波が不安定で圏外になることもあります。
楽天回線エリア外はパートナー回線エリアとなります。
パートナー回線エリアで利用できるデータ通信量は月5GBまでです。
楽天モバイルだけだと、どうしても対応エリアや電波状況に不安があるわけですね。
一方、OCNモバイルONEはドコモ回線を利用しています。
全国各地をカバーしており、よほど山間部でもない限り圏外になりません。
楽天モバイルが使えない場所でもOCNモバイルONEは繋がる可能性が高いため、安心です。
音声通話のかけ放題を無料で追加できる
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用するとかけ放題を無料で追加可能です。
OCNモバイルONEはかけ放題が豊富で、無制限かけ放題も用意されています。
しかし、かけ放題オプションはいずれも有料です。
OCNモバイルONEのかけ放題 | 月額料金 |
---|---|
10分かけ放題 | 935円(税込) |
トップ3かけ放題 | 935円(税込) |
完全かけ放題 | 1,430円(税込) |
もっとも安い500MBプランでも、完全かけ放題をつけると月額1,980円(税込)になります。
一方、楽天モバイルは専用アプリ「Rakuten Link」から発信すると通話料が無料です。
オプション料もかかりません。
毎月のデータ通信量が1GB未満なら月額料金も0円です。
データ通信はOCNモバイルONEを利用し、楽天モバイルを電話専用回線にすれば月額550円(税込)でかけ放題を実現できます。
海外でデータ通信を使える
楽天モバイルを併用すれば海外でもデータ通信を使えます。
OCNモバイルONEは海外でもそのまま使える「国際ローミング」の利用が可能です。
しかし、国際ローミング利用時はデータ通信を使えません。
海外でデータ通信を利用する場合は別の手段を確保する必要があります。
楽天モバイルは海外でもデータ通信の利用が可能です。
月2GBまでなら追加料金は一切かかりません。
また、Rakuten Linkアプリ同士なら海外での通話料も無料、月額980円(税込)の国際電話かけ放題も用意されています。
楽天モバイルはデータ通信だけでなく、海外での電話もお得ですよ。
海外用レンタルWi-FiやプリペイドSIMなどの方法もありますが、基本的には楽天モバイルのほうがお得です。
OCNモバイルONEは端末セットが安い
OCNモバイルONEは端末セットが安いのもメリットです。
定価より大幅に割引されているほか、端末セールを毎月のように実施しています。
一括1円で購入できることも珍しくありません。
楽天モバイルも端末セールを実施しますが、基本的には割引ではなくポイント還元です。
OCNモバイルONEなら端末代が直接割引されます。
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する場合、2枚のSIMカードを同時待ち受けできる「DSDV」対応機種だと楽です。
OCNモバイルONEならDSDV対応機種も格安で購入できます。
お得な分、在庫切れになることが多いです。気になる端末は早めに購入してください。
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する方法
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する手順は以下の通りです。
DSDV対応機種を用意する
まずはDSDV対応機種を用意しましょう。
スマホ1台で楽天モバイルとOCNモバイルONEが併用できるので楽ですよ。
DSDV対応スマホは大きく2種類に分けられます。
楽天モバイルは物理SIMなしで契約できる「eSIM」に対応しています。
eSIM対応機種なら楽天モバイルをeSIMで契約可能です。
OCNモバイルONEはeSIMに対応していません。
iPhoneはXS世代以降でDSDV対応
DSDVに対応しているiPhoneは以下の通りです。
全機種が物理SIMとeSIMによるDSDVに対応しています。
物理SIM2枚によるDSDVは非対応です。
iPhoneで楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する際は、楽天モバイルをeSIMで申し込みましょう。
上記のiPhoneは楽天モバイルもOCNモバイルONEも動作確認済みです。
電話もデータ通信も問題なく利用できますよ。
大手キャリア版のiPhoneでeSIMを利用する際はSIMロック解除が必要です。
AndroidスマホはDSDV対応機種が豊富
Androidの場合、SIMフリースマホであれば多くの機種がDSDVに対応しています。
その中でも楽天モバイルとOCNモバイルONEの両方で動作確認されている一部の機種をまとめました。
メーカー | 機種名 |
---|---|
ASUS | ZenFone 7/7 Pro Zenfone 8/8 Flip ROG Phone 5 |
HUAWEI | nova lite 3 |
OPPO | Find X OPPO A54 5G OPPO A55s 5G OPPO A73 OPPO Reno3 A OPPO Reno5 A R17 Pro Reno 10x Zoom |
SHARP | AQUOS sense3 plus SH-M11 AQUOS sense3 SH-M12 AQUOS sense4 SH-M15 AQUOS sense4 plus SH-M16 AQUOS sense5G SH-M17 |
SONY | Xperia 10 III Lite |
動作確認されていない機種でも使える可能性はありますが、あくまでも自己責任です。
基本的には楽天モバイル、OCNモバイルONEで動作確認されている端末で利用してください。
Androidスマホは物理SIM2枚のDSDVに対応している機種が多いですが、一部機種ではeSIMも利用可能です。
楽天モバイルとOCNモバイルONEを契約する
端末を準備できたら楽天モバイルとOCNモバイルONEを契約します。
楽天モバイルを契約中ならOCNモバイルONEを、OCNモバイルONEを契約中なら楽天モバイルを契約してください。
楽天モバイルの申し込み
楽天モバイルは物理SIMとeSIMの両方に対応しています。
利用するスマホに合わせて選べばOKです。
利用するスマホ | 追加するSIMタイプ |
---|---|
物理SIMのみ対応 | nanoSIM |
eSIM対応スマホ | eSIM |
OCNモバイルONEはeSIMに対応していません。
iPhoneのようなeSIM対応モデルで併用したい場合、楽天モバイルはeSIMを選択してください。
eSIMで申し込む際はオンラインで本人確認を済ませる「eKYC」が利用できます。
eKYCなら最短で申し込んだ当日に楽天モバイルの開通が可能です。
eKYCでは運転免許証やマイナンバーカードなどの顔写真付きの書類が必要です。
OCNモバイルONEの申し込み
OCNモバイルONEはeSIMに対応していません。
物理SIMで申し込むことになります。
OCNモバイルONEでは5つのデータ通信量が用意されています。
また、SIMタイプも音声通話SIMとデータ通信専用SIMの2種類です。
データ通信量 | 音声通話SIM | データ通信専用SIM |
---|---|---|
500MB | 550円(税込) | なし |
1GB | 770円(税込) | なし |
3GB | 990円(税込) | 858円(税込) |
6GB | 1,320円(税込) | 1,188円(税込) |
10GB | 1,760円(税込) | 1,628円(税込) |
音声通話SIMとデータ通信専用SIMの差は月額132円(税込)しかありません。
基本的には音声通話SIMがおすすめです。
万が一、楽天モバイルがうまく繋がらなくてもOCNモバイルONEで電話できます。
また、以下の機種ではデータ専用SIMをデータ通信用に設定すると不具合により緊急通報ができません。
上記の機種で楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する場合は、必ず音声通話SIMを契約してください。
APN設定をする
楽天モバイルとOCNモバイルONEの契約が終わったら次はAPN設定です。
APN設定の手順はiPhoneとAndroidで異なります。
iPhoneの場合
iPhoneでは楽天モバイルをeSIM、OCNモバイルONEを物理SIMで契約します。
楽天モバイルはmy 楽天モバイルアプリを使って手続きするのがおすすめです。
-
STEP1iPhoneにmy 楽天モバイルアプリをインストールする
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STEP2my 楽天モバイルアプリを起動し「申込番号」をタップする
-
STEP3「開通手続きをする」をタップする
-
STEP4「続ける」をタップする
-
STEP3「モバイル通信プランを追加」をタップする
-
STEP3キャリア設定アップデートが表示されたら「アップデート」をタップする
OCNモバイルONEはAPN構成プロファイルのインストールが必要です。
SIMカードをiPhoneへ挿し、「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」からデータ通信用SIMにOCNモバイルONEを指定してください。
後は次の手順に従ってOCNモバイルONEのAPN構成プロファイルをインストールします。
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STEP1iPhoneをWi-Fiに接続する
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STEP2SafariでOCN モバイル ONE APN設定用構成プロファイル(iOS)にアクセスする
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STEP3契約コースの「ダウンロード」をタップしてプロファイルをダウンロードする
-
STEP4「許可」をタップする
-
STEP5「閉じる」をタップする
-
STEP6「設定」を起動し「一般」→「VPNとデバイス管理」をタップする
-
STEP7ダウンロードしたプロファイルをタップする
-
STEP8「インストール」をタップする
-
STEP9パスコードを設定している場合はパスコードを入力する
-
STEP10「インストール」をタップする
-
STEP11もう一度「インストール」をタップする
OCNモバイルONEには「新コース」と「新コース以外」の2つのコースがあります。
自分が契約したコースのプロファイルをダウンロードしてください。
記事執筆時点では新コースが主流です。
Androidスマホの場合
続いてはAndroidスマホでの設定です。
物理SIMのみ対応スマホの場合は楽天モバイルとOCNモバイルONEのSIMカードを挿し、APN設定をしてください。
実際の設定手順は機種によって異なります。
詳しくは端末の取扱説明書も参考にしてください。
ここでは例としてmotorola edge 20のAPN設定手順を解説します。
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STEP1「設定」→「ネットワークとインターネット」の順にタップする
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STEP2「モバイルネットワーク」の順にタップする
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STEP3APN設定したいSIMカードをタップする
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STEP4「詳細設定」→「アクセスポイント名」の順にタップする
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STEP5APN一覧にAPNがある場合はタップして完了する
-
STEP6APNがない場合は右上の「+」をタップする
-
STEP7APN情報を入力し「保存」をタップする
-
STEP8保存したAPNをタップする
STEP7の入力項目は、公式サイトから確認できます。
機種によっては標準で楽天モバイル、OCNモバイルONEのAPNがインストール済みです。
その場合は一覧からAPN名をタップするだけで設定が終わります。
eSIM対応スマホの場合、APN設定の前に楽天モバイルのeSIMプロファイルをインストールしてください。
専用アプリ「my 楽天モバイル」を使うと楽です。
-
STEP1スマホにmy 楽天モバイルアプリをインストールする
-
STEP2my 楽天モバイルアプリを起動し「申込番号」をタップする
-
STEP3「開通手続きをする」をタップする
eSIMプロファイルをインストールしたら、あとはAPN設定すればOKです。
利用するSIMを設定する
最後にデータ通信と音声通話(発信)をどちらのSIMで利用するかを設定します。
データ通信用にOCNモバイルONEを、通話用に楽天モバイルを設定するのがおすすめです。
iPhoneは「設定」→「モバイル通信」から利用SIMを設定できます。
「モバイルデータ通信」にOCNモバイルONE、「デフォルトの音声回線」に楽天モバイルを設定しましょう。
Androidスマホの設定方法は機種によります。
motorola edge 20の場合は「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIMカード」から変更可能です。
詳しくは取扱説明書やメーカー公式サイトを参考にしてください。
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する際の注意点
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する際の注意点は以下の通りです。
楽天モバイルのかけ放題はRakuten Linkアプリが必須
楽天モバイルの無制限かけ放題はRakuten Linkアプリからの発信が条件です。
標準の電話アプリを使うと、かけ放題が適用されません。
必ず、Rakuten Linkアプリ電話をかけてください。
専用アプリを使うのが面倒ならOCNモバイルONEのかけ放題も検討しましょう。
OCNモバイルONEなら標準の電話アプリでもかけ放題が適用されます。
バッテリーの減りが早くなる
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用するとスマホのバッテリーが減りやすくなります。
OCNモバイルONEで「グローバルIP」という接続方式を利用しているのが原因です。
最近のAndroidスマホは大容量バッテリーを搭載しています。
そこまで神経質になる心配はありません。
古いAndroidスマホやiPhoneだと、バッテリーの減りが早くなるのを感じやすいでしょう。
念のためモバイルバッテリーを持参するか、新しいスマホへ変更するのがおすすめです。
2022年3月よりプライベートIP方式に変更され、バッテリーの減りが早くなる現象が改善される予定です。
まとめ
以上、楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用する方法やメリット・デメリットについて解説しました。
OCNモバイルONEはドコモ回線を利用しているため、全国各地で利用が可能です。
圏外になってスマホが使えない、という心配がありません。
海外でデータ通信を使えない、かけ放題が有料といったOCNモバイルONEのデメリットも楽天モバイルで解消可能です。
楽天モバイルとOCNモバイルONEを併用することで、お互いの弱点を補えますよ。