楽天モバイルは単体でもお得ですが、他のキャリアや格安SIMと併用するとさらにお得になります。
とくに大手キャリアの格安プランであるahamo/povo/LINEMOは楽天モバイルと組み合わせる回線として最適です。
楽天モバイルの弱点をカバーできますし、月額料金も大手キャリアの従来プランより安くなっています。
また、ahamo/povo/LINEMOの弱い所を楽天モバイルで補うことも可能です。
本記事では楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用するメリットや注意点、手順について解説します。
目次
楽天モバイルをahamo/povo/LINEMOと併用するメリット
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用するメリットは以下の通りです。
楽天回線エリアの狭さを補える
大手キャリアの格安プランを併用することで、楽天モバイルのエリアの狭さを補えます。
楽天モバイルのエリアは大きく楽天回線エリアとパートナー回線エリアの2つです。
このうち、データ通信を無制限に使えるのは楽天回線に限られます。
パートナー回線では月5GBしかデータ通信を利用できません。
楽天回線エリアはかなり広がりました。
それでもまだまだ使えないエリアは多く、とくに地方だと電波を掴みにくいでしょう。
楽天モバイルの対応エリアは通信・エリア | 楽天モバイルからチェックできます。
一方、格安プランは大手キャリアと同じ回線を利用します。
対応エリアも全く同じです。
格安プランを併用することで、楽天回線エリアが狭いという弱点をカバーできます。
音声通話のかけ放題を無料で追加できる
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用すると、音声通話のかけ放題を実質無料で利用可能です。
ahamo/povo/LINEMOでもかけ放題は用意されています。
しかし、いずれもオプション料がかかります。
キャリア | かけ放題の月額料金 |
---|---|
楽天モバイル | 無料 |
ahamo | 1,100円(税込) |
povo/LINEMO | 1,650円(税込) |
一方、楽天モバイルは専用アプリ「Rakuten Link」を経由すると通話料が無料です。
追加料はかかりません。
さらに、楽天モバイルは月間のデータ通信量が1GB以下なら月額料金も無料です。
楽天モバイルを通話専用回線として利用すれば、実質無料でかけ放題を利用できます。
LINEMO・povoでも海外利用がお得になる
楽天モバイルと併用すればLINEMO・povoのユーザーも海外での利用がお得になります。
各社の国際ローミング対応状況をまとめました。
キャリア | データ通信 | 音声通話 |
---|---|---|
楽天モバイル | 〇(2GBまで無料) | 〇(アプリ利用で無料) |
ahamo | 〇(20GBまで無料) | 〇 |
povo | 提供予定 | 提供予定 |
LINEMO | 〇(2,980円(税込)/日) | 〇 |
現時点ではpovoのみ海外で使えません。
提供予定とはなっていますが、いつどのような内容になるか不明です。
LINEMOは海外でも使えます。
ただ、データ通信は1日当たり2,980円(税込)と割高です。
楽天モバイルなら月2GBまでならデータ通信を無料で使えます。
通話料もRakuten Linkアプリ同士なら無料です。
国際電話かけ放題オプションを利用すればRakuten Linkを利用していないユーザーとも無料で通話できます。
povo/LINEMOユーザーかつ海外へ頻繁に行くなら、楽天モバイルを契約しておくとお得です。
楽天モバイルなら2GB超過後も1GBあたり550円(税込)で追加チャージできます。
ahamoは月20GBまでなら無料で使えますが、通話料はかかります。
楽天モバイルとahamoを併用すれば、海外でもデータと音声通話の両方がお得です。
キャリア決済を継続できる
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用するとキャリア決済を維持できます。
キャリア決済は楽天モバイルでも使えますが、対応サービスが限定的です。
大手キャリアのキャリア決済の代替手段にはなりません。
ahamo、LINEMOはキャリア決済を利用可能です。
povoも1.0ならキャリア決済に対応しています。
楽天モバイルと併用することで、キャリア決済が使えない弱点も解消可能です。
ahamoのキャリア決済ではdメニュー掲載コンテンツを支払えない点に注意してください。
なお、povo2.0ではキャリア決済を当面使えません。
これからpovo2.0を契約する場合は要注意です。
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用する方法
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用する手順は以下の通りです。
DSDV対応機種を用意する
まずはDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)対応機種を用意してください。
2枚のSIMカードで同時に待ち受けできる機能をDSDVと言います。
DSDV対応機種なら、1台で楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用できます。
DSDV非対応のデュアルSIMスマホの場合、SIMカードを2枚挿せますが同時待ち受けはできません。
DSDV対応スマホは大きく2種類に分かれます。
eSIMはスマホ本体に組み込まれているSIMのことです。
物理的なSIMカードなしで契約できるため、申し込んで即利用できます。
楽天モバイル、ahamo、povo、LINEMOはいずれもeSIM対応済みです。
iPhoneはXS/XS Max/XR以降でDSDV対応
DSDVに対応しているiPhoneは以下の通りです。
iPhoneは全機種が物理SIM+eSIMという構成です。
物理SIM2枚でのDSDVはできません。
楽天モバイルと大手キャリアの格安プランのどちらかを物理SIM、もう片方をeSIMで契約してください。
「iPhone 13」シリーズのみeSIM+eSIMのデュアルeSIMに対応しています。
楽天モバイルと大手キャリアの格安プランの両方をeSIMで保有可能です。
大手キャリア版iPhoneはSIMロック解除しないとeSIMを利用できません。必ず解除してください。
AndroidスマホはDSDV対応機種が豊富
Androidスマホのうち、楽天モバイルかつDSDVに対応している主な機種は以下の通りです。
メーカー | 機種名 |
---|---|
ASUS | ZenFone 7/7 Pro ZenFone 8 |
Pixel 4/4 XL Pixel 4a/4a(5G) Pixel 5 Pixel 5a(5G) |
|
HUAWEI | nova 5T nova lite 3 P30 lite |
OPPO | AX7 Find X OPPO A5 2020 OPPO A54 5G OPPO A73 OPPO Reno A 128GB OPPO Reno3 A OPPO Reno5 A R17 Pro Reno 10x Zoom |
SHARP | AQUOS sense3 lite SH-RM12 AQUOS sense3 plus SH-M11 AQUOS sense3 plus SH-RM11 AQUOS sense3 SH-M12 AQUOS sense4 SH-M15 AQUOS sense4 lite SH-RM15 AQUOS sense4 plus SH-M16 AQUOS sense5G SH-M17 AQUOS zero2 SH-M13 |
SONY | Xperia 10 III Lite |
Xiaomi | Redmi Note 9S Mi Note 10 Lite |
AndroidはDSDV対応機種が豊富です。
機種によって物理SIMしか対応していないものと、iPhoneのように物理SIM+eSIMに対応しているものに分かれます。
事前に対応しているSIMタイプをチェックしておきましょう。
DSDV機能を使うためには端末が楽天モバイルと大手キャリアの格安プランの両方に対応している必要があります。
楽天モバイル、ahamo、povo、LINEMOでは端末の動作確認を実施してその結果を公表しています。
端末を購入する際は利用予定のキャリアの動作確認結果を必ずチェックしてください。
povoは1.0と2.0で微妙に対応端末が異なります。
自分が契約しているバージョンの対応端末をチェックしてください。
iPhoneは楽天モバイル/ahamo/povo/LINEMOいずれの回線も対応しているので問題ありません。
楽天モバイル/ahamo/povo/LINEMOを契約する
端末を準備できたら楽天モバイル/ahamo/povo/LINEMOを契約します。
楽天モバイルを契約中ならahamo/povo/LINEMOを、ahamo/povo/LINEMOのいずれかを契約中なら楽天モバイルを契約してください。
楽天モバイルとpovo2.0はアプリから、ahamoとLINEMOはウェブから申し込むのがおすすめです。
povo1.0は新規受付を終了しているため、これから申し込むことはできません。
申し込み手続きはそこまで難しくありません。
楽天モバイル、ahamo、LINEMOはプラン内容がシンプルなのでとくに迷わないでしょう。
povo2.0も申し込みの段階ではトッピングの選択はないため簡単です。
ただし、SIMタイプの選択には注意してください。
利用するスマホ | 契約中のSIMタイプ | 追加するSIMタイプ |
---|---|---|
物理SIMのみ対応 | nanoSIM | nanoSIM |
eSIM対応スマホ | nanoSIM | eSIM |
eSIM | nanoSIM |
スマホがeSIM対応の場合は利用状況に合わせて追加するSIMタイプを選びましょう。
例えばahamoのeSIMを利用中なら、楽天モバイルは物理SIMで申し込んでください。
iPhone 13シリーズはデュアルeSIMに対応しています。
物理SIM+eSIMでも、eSIM+eSIMでもOKです。
各社ともオンラインで本人確認を実施する「eKYC」に対応しています。
eKYCでeSIMを申し込むと即日開通が可能です。
eSIMを申し込むならeKYCを活用しましょう。
eKYCでは運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの書類が必要です。
APN設定をする
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを契約したら、スマホでAPN設定をします。
設定手順はSIMタイプとOSによって異なります。
順番に見ていきましょう。
iPhone(物理SIM)の場合
まずはiPhoneに物理SIMを追加するケースです。
すでにeSIMを利用しており、そこに物理SIMを追加すると仮定します。
このケースはもっとも簡単で、どのキャリアでもiPhoneに挿すだけでOKです。
APN設定は必要ありません。
SIMカード挿入後、キャリアアップデートが表示された場合は必ず「アップデート」をタップしてください。
必ずiOSを最新バージョンにアップデートしたうえでSIMカードを挿入しましょう。
iPhone(eSIM)の場合
続いてeSIMを利用する場合です。
楽天モバイルの場合はmy 楽天モバイルアプリを使うと簡単に設定できます。
-
STEP1iPhoneにmy 楽天モバイルアプリをインストールする
-
STEP2my 楽天モバイルアプリを起動し「申込番号」をタップする
-
STEP3「開通手続きをする」をタップする
-
STEP4「続ける」をタップする
-
STEP3「モバイル通信プランを追加」をタップする
-
STEP3キャリア設定アップデートが表示されたら「アップデート」をタップする
ahamo/povo/LINEMOの場合はiPhoneでQRコードを読み取る必要があります。
QRコードを表示するためにiPhone以外の端末またはパソコンを用意してください。
QRコードの表示方法は以下の通りです。
QRコードを表示したら、次の手順で読み取ってください。
-
STEP1「設定」アプリを起動する
-
STEP2「モバイル通信」をタップする
-
STEP3「モバイル通信プランを追加」をタップする
-
STEP4さきほど表示したQRコードを読み取る
-
STEP5「モバイル通信プランを追加」をタップする
-
STEP6デフォルトで利用するSIMを選択する
Androidスマホ(物理SIM)の場合
続いては物理SIMのみ対応のAndroidスマホです。
Androidスマホに物理SIMを追加する際は手動でAPN設定をします。
設定手順は機種によって異なります。
詳しくは端末の公式サイトや取扱説明書も参考にしてください。
ここでは例としてReno AのAPN設定手順を解説します。
端末によってはAPN一覧にAPNが表示されることがあります。
その場合はAPN名をタップするだけで設定完了です。
APNがない場合は上記の手順に従い、手動でAPN情報を入力します。
入力事項は各社の公式サイトからチェックしてください。
Androidスマホ(eSIM)の場合
最後はAndroidスマホにeSIMを追加する手順です。
eSIMの追加手順はiPhoneの時とほとんど変わりません。
楽天モバイルは専用アプリ「my 楽天モバイル」で設定してください。
-
STEP1iPhoneにmy 楽天モバイルアプリをインストールする
-
STEP2my 楽天モバイルアプリを起動し「申込番号」をタップする
-
STEP3「開通手続きをする」をタップする
ahamo/povo/LINEMOはQRコードを読み取ります。
eSIMを利用する端末以外のスマホまたはパソコンを用意し、QRコードを表示してください。
QRコードを表示したら、次の手順で読み取ってください。
-
STEP1「設定」→「ネットワークとインターネット」の順にタップする
-
STEP2「モバイルネットワーク」をタップする
-
STEP3「代わりにSIMをダウンロードしますか?」をタップする
-
STEP4カメラが起動したら先ほど表示したQRコードを読み取る
-
STEP5「有効化」をタップする
AndroidスマホはeSIMを設定した後、さらにAPN設定が必要です。
「Androidスマホ(物理SIM)の場合」の手順に従ってAPN設定をしてください。
Androidの設定手順は機種によって異なります。
詳しくは取扱説明書も参考にしてください。
利用するSIMを設定する
DSDV対応スマホではどのSIMでデータ通信と音声通話(発信)を利用するか設定できます。
設定方法はiPhoneとAndroidで異なります。
iPhoneの場合
iPhoneは「設定」→「モバイル通信」から変更可能です。
「モバイルデータ通信」でデータ通信用のSIM、「デフォルトの音声回線」で音声通話用のSIMを設定します。
例えばahamoでデータ通信、楽天モバイルで通話を利用する際は、
と設定しましょう。
Androidの場合
Androidスマホの設定方法は機種によって異なります。
一般的には「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク設定」→「アクセスポイント名」から変更可能です。
詳しくは取扱説明書やメーカー公式サイトも参考にしてください。
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用する際の注意点
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用する際の注意点は以下の通りです。
楽天モバイル単体より割高になる
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用する場合、楽天モバイル単体よりも月額料金が高くなります。
毎月20GBのデータ通信を利用する場合の月額料金を比較してみましょう。
キャリア | 20GBの月額料金 |
---|---|
楽天モバイル | 2,178円(税込) |
ahamo | 2,970円(税込) |
povo1.0/LINEMO | 2,728円(税込) |
povo2.0 | 2,700円(税込) |
20GBの月額料金は楽天モバイルが最安です。
対応エリアが問題ないなら、楽天モバイル単体で利用しても良いでしょう。
なおLINEMOおよびpovo2.0は990円(税込)で3GBのデータ通信を使えます。
毎月3GBなら楽天モバイル(1,078円(税込))より安上がりです。
povo2.0を3GBプランとして使う場合は毎月手動でチャージが必要です。
かけ放題を利用するにはRakuten Linkアプリが必須
楽天モバイルをかけ放題専用回線として使う場合は専用アプリが必須な点に注意してください。
標準の電話アプリからかけるとかけ放題が適用されません。
必ず、Rakuten Linkアプリからかけてください。
iPhoneの場合、Rakuten Linkユーザー以外からの通話は標準アプリに着信されます。折り返しの際は必ずRakuten Linkを使ってください。
Rakuten Linkアプリを使うのが面倒な場合はahamo/povo/LINEMOのかけ放題を利用しましょう。
月額料金は高くなりますが、標準アプリでかけ放題が適用されます。
キャリアメールは使えない
楽天モバイルおよびahamo/povo/LINEMOはいずれもキャリアメールに対応していません。
キャリアメールを利用したい場合は大手キャリアまたはサブブランドがおすすめです。
大手キャリアと併用すればメールアドレスを維持できます。
ただし、月額料金は高めです。
サブブランドは月額料金を抑えつつキャリアメール相当のサービスを使えます。
アドレスは変更となりますが、安さ重視ならおすすめです。
まとめ
ahamo/povo/LINEMOは大手キャリアと対応エリアが同じです。
楽天回線エリアが狭いという楽天モバイル最大の弱点をカバーできます。
キャリア決済を維持できるのも大きなメリットですね。
一方、楽天モバイルは月間のデータ通信量が1GB未満なら無料で維持できます。
かけ放題も無料なので、ahamo/povo/LINEMO単体でかけ放題を使うより安上がりです。
楽天モバイルとahamo/povo/LINEMOを併用し、お互いの弱点をうまくカバーしましょう。