JCOMモバイルはケーブルテレビ最大手であるJCOMの格安SIMです。
知名度は決して高くなく、格安SIMの中ではマイナーな部類に入ります。
しかし、シンプルかつ安価な月額料金や60分かけ放題など魅力も多いです。
本記事ではJCOMモバイルを実際に利用している筆者がメリット・デメリットを徹底解説します。
JCOMモバイルのメリット・デメリットについて知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
JCOMモバイルのメリット
JCOMモバイルのメリットは以下の通りです。
大手キャリアより月額料金が大幅に安い
JCOMモバイルの魅力の1つが月額料金の安さです。
データ通信量 | 月額料金 |
---|---|
1GB | 1,078円(税込) |
5GB | 1,628円(税込) |
10GB | 2,178円(税込) |
20GB | 2,728円(税込) |
格安SIMの中で最安値というわけではないものの、大手キャリアと比べると大幅に安くなります。
例えば月1GBの場合、大手キャリアはいずれも月額3,278円(税込)です。
JCOMモバイルなら同じデータ通信量を月額1,078円(税込)で利用できます。
スマホ代を安くしたい人にはJCOMモバイルがおすすめですよ。
10GB/20GBプランはスタート割でさらにお得
10GB/20GBプランは「スタート割」により12ヶ月間は月額料金がさらに安くなります。
データ通信量 | 月額料金 (通常時) |
月額料金 (スタート割適用時) |
---|---|---|
10GB | 2,178円(税込) | 1,738円(税込) |
20GB | 2,728円(税込) | 2,178円(税込) |
そのままでも十分お得ですが、スタート割の適用中は格安SIMの中でもトップクラスの安さです。
10GB/20GBプランを安く利用したい人はJCOMモバイルを検討しましょう。
契約縛り・違約金なし
JCOMモバイルには契約縛り・違約金がありません。
MNPで他社に乗り換える際の「MNP転出手数料」も撤廃されました。
いつでも好きなタイミングで解約・MNP転出ができます。
ほぼノーリスクで試せるので、初めて格安SIMを利用する人も安心です。
オンラインからの申し込みで初期費用が無料
JCOMモバイルはオンラインからの申し込みで3,300円(税込)の初期費用が無料になります。
初期費用を支払うのは初回だけですが、3,300円(税込)が無料になるのは大きいですね。
JCOMモバイルは店舗でも申し込めます。
しかし、その場合は初期費用が無料になりません。
基本的にはオンラインから申し込むのがおすすめです。
詳しくは後述しますが、JCOMモバイルは店舗数が少ないです。大多数の人はオンラインから申し込むことになるでしょう。
通信速度が比較的速い
JCOMモバイルは通信速度が比較的速く安定しています。
とくに新プランがスタートして以降、速度が向上しているようです。
実際にJCOMモバイルを契約している筆者も、以下の条件で通信速度を測定してみました。
時間帯 | 下り速度 | 上り速度 |
---|---|---|
8時台 | 72.1Mbps | 0.49Mbps |
12時台 | 43.9Mbps | 0.9Mbps |
18時台 | 58.5Mbps | 0.88Mbps |
21時台 | 78.7Mbps | 0.92Mbps |
下り速度が速く安定しているのが分かりますね。
他の格安SIMだと速度が低下しやすい平日お昼や夕方の速度も良好です。
JCOMモバイルなら、1日を通して快適にスマホを使えます。
ただ、上り速度は下り速度と比べるとかなり遅いですね。
試してみたところTwitterの投稿など普段使いなら問題ありません。
YouTubeへの動画投稿や、大きなファイルのクラウドストレージへのアップロードなどはWi-Fi環境で実施しましょう。
速度制限時も1Mbpsの通信が使える
JCOMモバイルのうち10GBプランと20GBプランは速度制限時の速度が速いです。
一般的な格安SIMの速度制限時の速度は200kbpsです。
JCOMモバイルでも1GB/5GBプランでは200kbpsに制限されます。
10GB/20GBプランではその5倍にあたる1Mbpsの低速通信を利用可能です。
1Mbpsの速度ならSNSやちょっとした調べもの、地図アプリはもちろん標準画質の動画視聴もこなせます。
データ通信量を使い切っても、遅すぎて困ることがありません。
60分かけ放題で長電話する人もお得
JCOMモバイルではたくさん電話をかける人のために「60分かけ放題」オプションが用意されています。
月額1,650円(税込)で1回60分以内の通話が何度でもかけ放題です。
60分あればよほど長電話する人でなければ問題ありませんね。
10分かけ放題は他の格安SIMにもありますが、60分という長いかけ放題はあまりないので貴重です。
しかもJCOMモバイルは専用アプリなしでかけ放題を使えます。
一般的な格安SIMのかけ放題は専用アプリから発信しないといけません。
JCOMモバイルは標準の電話アプリでかけ放題が適用されます。
わざわざ専用アプリをインストールする必要はありません。
なお、60分を超える長電話をかける人は完全かけ放題があるUQモバイル、Y!mobile、OCNモバイルONEなどを検討してください。
複数のiPhoneを取り扱っている
JCOMモバイルではiPhoneのセット購入も可能です。
2021年5月現在は以下の5機種を取り扱っています。
コンパクトかつコスパに優れるiPhone SE(第2世代)に加え、au認定中古品のiPhoneも購入できます。
月額料金を節約しつつ、iPhoneを利用したい人におすすめです。
Wi-Fiスポットサービス「ギガぞう」が無料
JCOMモバイルユーザーはWi-Fiスポットサービス「ギガぞう」を無料で使えます。
ギガぞうは街中の公衆無線LAN(Wi-Fiスポット)を利用できるサービスです。
利用できる場所はコンビニやカフェ、ファストフード店など全国10万ヶ所以上に及びます。
通信を暗号化する「VPN機能」により、安心してWi-Fiスポットを利用可能です。
通常、ギガぞうの月額料金は200円(税込)ですがJCOMモバイルユーザーは無料で使えます。
ほとんどの格安SIMではWi-Fiスポットは有料オプションなので、無料で使えるのは貴重ですね。
なお、5台まで接続できるスタンダードプランにもJCOMモバイル特別プランが用意されています。
通常のスタンダードプランは月額500円(税込)ですが、JCOMモバイルユーザーは月額385円(税込)で利用可能です。
JCOMモバイルのデメリット
JCOMモバイルのデメリットは以下の通りです。
速度切り替えができない
JCOMモバイルでは速度切り替えができません。
速度切り替えは高速通信と低速通信を切り替える機能です。
速度制限にかかっていなくても、低速通信を使えるようになります。
JCOMモバイルの10GB/20GBプランは1Mbpsの低速通信を利用可能です。
速度切り替え対応であれば、ある程度の快適さを残しつつ、データ通信量を節約できました。
しかし、残念ながらJCOMモバイルは速度切り替えに対応していません。
せっかく1Mbpsの低速通信を使えるわけですから、速度切り替えにも対応してほしいですね。
キャリアメール・キャリア決済が使えない
JCOMモバイルではキャリアメール・キャリア決済が使えません。
キャリアメールは大手キャリアが提供しているメールアドレスです。
ドコモの「@docomo.ne.jp」やauの「@au.com」などがキャリアメールに当たります。
JCOMモバイルに乗り換えるとキャリアメールは使えなくなります。
メール自体はGmailなどのフリーメールで代用できますが、アドレス変更の周知が必要です。
キャリア決済はアプリ課金やネットショッピングなどの料金を、スマホ代と合わせて支払うサービスです。
こちらも大手キャリアを解約すると使えなくなります。
JCOMモバイルにはキャリア決済に相当するサービスはありません。
クレジットカードやコンビニ払いなど別の支払い方法で代用してください。
キャリア決済でしか支払えないサービスを使っている場合、そのサービス自体も使えなくなります。
LINEのID検索が使えない
JCOMモバイルではLINEのID検索も使えません。
ID検索を使うには年齢確認が必要ですが、年齢確認は大手キャリアと一部の格安SIMのみ可能です。
JCOMモバイルは年齢確認ができないのでID検索もできなくなります。
ID検索が使えないことの対処法は以下の通りです。
年齢確認済みの端末はSIMカードを入れ替えても、引き続きID検索が利用可能です。
大手キャリアで使っていた端末でJCOMモバイルを使うならID検索が使えなくなる心配はありません。
端末を変える場合も、大手キャリア解約前に年齢確認を済ませておけばOKです。
申し込みはクレジットカードが必須
JCOMモバイルの支払い方法は原則クレジットカードのみです。
申し込み後に口座振替へ変更できますが、申し込み時はクレジットカードしか選択できません。
つまり、クレジットカードがないとそもそも申し込みも不可能です。
どうしても口座振替で契約したい人はUQモバイルやY!mobileを検討してください。
JCOMのサービスを契約中かつ支払い方法が口座振替の人のみ、JCOMモバイルも口座振替で申し込めます。
実店舗が少ない
JCOMモバイルは実店舗が47店舗(2021年5月現在)しかありません。
しかも店舗があるのは10都府県に限られるので、サポートを受けられる人は限られてしまいます。
初期設定やトラブル対応を自分でできる人なら店舗がなくても問題ないでしょう。
筆者も店舗がなくて困ったことはありません。
反対にスマホ初心者で対面によるサポートが必要な人だと、JCOMモバイルは厳しいでしょう。
Android端末のラインナップが物足りない
JCOMモバイルは複数のiPhoneを取り扱っている反面、Android端末はラインナップが物足りないです。
2021年5月現在は4つのAndroidスマホを取り扱っています。
スペックを抑えたエントリーモデルと型落ちモデルしかありません。
電話やLINEしか使わない人なら十分ですが、それ以外の人だとスペック不足です。
スペックの高いAndroidスマホが欲しい場合はネット通販や家電量販店でSIMフリースマホを買いましょう。
知名度が低い
JCOMモバイルは格安SIMの中でもややマイナーです。
運営しているJCOMは大手ですが、JCOMモバイルは知名度があまり高くありません。
「JCOMは知っているけどスマホ事業をやっているのは知らなかった」という人もいます。
知名度が低いと、口コミや評判も集まりにくいのがデメリットです。
初心者の場合は情報を集めやすい大手格安SIMを選んだほうが無難かもしれません。
まとめ
以上、JCOMモバイルのメリット・デメリットについて解説しました。
JCOMモバイルは契約縛りや違約金のない、シンプルな料金プランが魅力です。
月額料金も比較的安く、大手キャリアから乗り換えることでスマホ代を大幅に節約できます。
10GB/20GBなら制限後の速度が1Mbpsと速いのも大きなメリットですよ。
格安SIMとしてはややマイナーで、速度切り替えができない、店舗が少ないといったデメリットもあります。
JCOMモバイルの契約を考えている人は、本記事を参考にメリット・デメリットをしっかり把握してくださいね。